アート

展はしご

朝からとても気分がよかったので三ノ輪から上野まで歩いて東博の所蔵展に行き、そのあとギャラリーをのぞきつつ日本橋から銀座まで歩く。最後にまた地下鉄に乗って乃木坂へ。気候がいいので動きやすい。「光 松本陽子/野口里佳」 最初に野口里佳さんの「フ…

皇室の名宝 ― 日本美の華

動植綵絵がいっぺんに観られるというので上野へ。 こんなに短期間のあいだに、再び観ることができるとは。生きててよかった。大げさでなしに。 承天閣で観たときのような曼荼羅感はもうなかったけれど、個々の絵は変わらず魅力的だった。なんというか、やっ…

婆々娘々!

会期も終わりに近づいてきたので、見納めに行く。 Windswept Womenの展示室に入ると、やっぱり、ここに立ってこそだなぁと思う。この屹立するポートレイトに囲まれ、向かい合い、見上げてこそだと。ポスターで見てもちっとも感応しないが、あの空間丸ごとを…

放課後のはらっぱ

どこかにも書いてあったけれど、展示室は途中から、「絵を用いたインスタレーション」の様相を呈してきて、それが今まで味わったことのない種類のおもしろさで、そして、とても心地よかった。いつまでも離れがたい感じ。櫃田伸也と教え子たちというタイトル…

混沌から踊り出る星たち2009

同時代の人の作品をみるときは、オリジナリティということにとても神経質になる。作風が今までみた誰かに似ていると感じると、どちらが先かとかいう根本的な問題も、自分にオリジナリティについて云々言えるほどの知識があるのかということもさておいて、作…

やなぎみわ 婆々娘々!

マイ・グランドマザーズは、やなぎみわさんの作品の中でも特に好きなシリーズである。 我ながら単純なのだが、まるでよく効くドリンクなのだ。明るいものばかりではないけれど、その作品の「前を向いている」ということが、私の顔もあげさせるのだろう。 か…

neoteny japan

ネオテニーに興味はないが、メンバーがおもしろそうだったので上野の森へ行く。こんな機会でもないとみることもないような作品がいっぱいで、なんだか物珍しかった。山口晃さんの「今様遊楽圖」と「今様遊楽圖下絵」が上下で展示されていて、その「今様遊楽…

上村松園 美人画の粋

山種美術館がいよいよ移転するというので、名残を惜しみに行く。文楽を観に行ってたときに、よくお世話になった。何の展示でも行こうと思っていたが、松園さんの没後60年記念展だった。好きな頃もあったけど、今は特に・・・という感じだったのに、行って…

Seven 西村画廊35周年記念展

樋口佳絵さんの絵を観に、西村画廊へ行く。他にも結構好きな作家さんの作品が並んでいるのに、樋口さんの絵があるともうダメなのだった。頭に入ってこない。はたと我にかえったら、三沢さんの犬に「大丈夫か?」という目でみられているような気がして、めち…

椿会展2009 Trans-Figurative

階段を降りかけて、右手の異物・緑色の長いもの、にドキッとする。も、もしかして、作品か?と思って先を見ると、その長いものは延々、下へと続いている。なんじゃこりゃ??と思うがおもしろい。 なんだかよくわからないのにおもしろいもの、を作る人ってす…

アーティストファイル2009

国立新美術館に初めて行く。 日曜に東京の美術館に行ったらどんな目に遭うのだろうとおののきながら出かけたのだが、ゆったりした空間で、マイペースでまわれたのが嬉しかった。とても好きな感じ。まいったなぁ・・・と思ったのは、宮永愛子さんの「色−color…

Drawings

樋口佳絵さんの新作を観に、西村画廊へ行く。 「2009.3.4」「2009.3」「ニードル」の3作。ずっと、その絵の、質感に惹かれているのだと思っていた。が、ドローイングになって、その肌合いのようなものが消えても、変わらずぐいっと惹きつけれられる。それで…

VOCA展

入ってすぐに、プロとアマチュアの違いについて考えずにいられなくなった。 そして、今、このシチュエーションで思いつくことといえば、表現しようとしているものを人にみせられるほどに昇華できているかいないか・・・だなぁと思った。そういう意味で、アマ…

ジムランビー:アンノウン プレジャーズ

床面に展開される作品のせいだろう、美術館に入ってしばらく経つと、体ごと、この世ならぬ世界に入り込んだような心持ちになる。この世ならぬといってもあの世ではなく、絵本の中とでも言うような、別の世界。 その気分は、とりあえず前向き、である。抽象作…

樋口佳絵 − エンシンリョク

樋口さんの個展ならば行かねばなるまい!とおっさんのように意気込んで西村画廊へ。 個展だから当たり前なのだが、どちらを向いても樋口さんの絵。なのが、なんだか嬉しかった。言葉の世界で超単純にたとえると、「それは青い。」というのを、「青い」という…

美術展ふたつ。

ワンシーズンに1日行くか行かないかなのに、冬の京都はいつも雪だ。でもここ2・3日の2月に不似合いな暖かさに辟易してたので、四条大橋をわたりながらむこうに雪をかぶった山が見えたとき、ちょっと嬉しいような気分になった。岡崎へ「椿昇 2004–2009: GOLD/…

東京近代美術館 所蔵品展

4階に上がると、原田直次郎の「騎龍観音」にあてる照明を直しているところだった。そういうシーンが好きなので、しばらく後ろから眺める。いつだったか、おじさんが係りのひとに「寄託っていうより護国寺から取り上げたんじゃないの?」と絡んでいたが、確か…

MOTコレクション「サヴァイヴァル・アクション」

島袋道浩「そしてタコに東京観光を贈ることにした」 顔見知りのクボくんに似てるな〜(こんなんばっかし)と思いながら、ぼーっと観始めたのだが、これが結構面白かった。今までみたビデオ系のもの中で、1番気をそらされなかったかも。明石のタコを築地のタ…

エモーショナル・ドローイング

ベタなのかもしれなくても、奈良美智さんの作品が1番いいなぁと思った。 奈良さんのブースには本当に様々なたくさんの絵が展示してあって、それぞれに違うのだが根っこのところは同じというか、もちろんそれも観るほうの思い込みに違いないのだけれど、でも…

国立京都博物館 平常展

京博の平常展示館は、建物は地味だが持ってるものが凄いので、いつも楽しみにして出かけていた。が、もうすぐ建て替えのため永のお休みにはいる。その地味めの建物とも、もうお別れだと思うと寂しくて(セコイな)名残を惜しみに行った。一番に芦雪の「百鳥…

蜷川実花展−地上の花、天上の色−

入ってすぐの花と名づけられた展示室は、パラダイスのようだった。あー、こんなところにきたかったんだようと身もだえする。 ひとつひとつの写真を丁寧にみていると、写真のむこうに、カメラを構え、対象にぐんぐん近づく蜷川さんの姿がみえる。ような気がし…

オン・ユア・ボディ 

恵比寿へ。 友だちからおもしろいよと聞かされていたが、本当におもしろかった。よくも悪くも同じ時代に生きるひとならではだ。匂いがちかい。ごく大雑把にいえば、わかりやすい。 中でも塩崎由美子さんの作品は、日常で切り取る光景が自分とよく似ていて(…

アジアとヨーロッパの肖像展

落語会の前に国立国際美術館へ。 なんというか、淡々とした展覧会だなーと思った。肖像画という括りで展示するのは、おもしろいものなのだろうか。でも、後半はよく足が止まった。 長いこと足を止めたもの。 立てる像・松本竣介 自画像・草間弥生 女達・浜口…

正倉院展

正倉院展へ。我が家の年中行事と化している模様。 今年のお気に入りは 「紫檀木画双六局」 「蘇芳地金銀絵箱」 「金銀絵漆皮箱」 「夾纈羅幡」などなど。 どれも文様の具合に心惹かれた。この時代の贅を尽くしたものをみるのは楽しい。毎年のことだけれど、…

大琳派展

落語会の前に駆け足でみた。 日曜の東博で駆け足なんて、みんほうがマシって感じやろなーと思いつつ・・・「四季草花下絵新古今集和歌色紙帖」など、ちらっとみた感じがよさそうでじっくりみたかったのだが、こういう日にそれは無理なので素通り。それでも一…

邂逅

ブリヂストン美術館へ行く。 2月に観たコレクション展とわりあい作品がかぶっていて、感想なぞり。みたいな感じでダラダラとまわっていたのだが、牛島憲之さんの「タンクへの道」の前で、足が止まった。 知らない画家さんだった。 でも、観れば観るほど、味…

咲き定まる

「牡丹花は 咲き定まりて 静かなり 花の占めたる 位置のたしかさ」遊亀さんの「咲き定まる」の隣に、掲示してあった。 よい歌だと思った。 定まっているところ、静かなところ、たしかなところ。 こうありたいと思うものが、在る。「百寿を超えて−奥村土牛・…

舟越桂 夏の邸宅

友だちに、庭園美術館へ連れて行ってもらう。 「白金台って、あのシロガネーゼの??」と、思わずアホな質問を。 というか、シロガネーゼって今でも言うんだろうか。美術館は、お金をふんだんにかけましたというのが丸出し、かつ、建てたひとは必要経費のこ…

September Show '08

刹那。せき止めを舌の上にのせて、飲み込もうとするその刹那。 刹那なんだけれど、そこには逡巡があり。 この子は、結局、それを飲み込むのだろうか。樋口佳絵さんの新作が出ていると聞き、西村画廊へ行く。 黄色が印象的な作品など、3作が展示されていた。 …

またも塩田千春展

肥後橋へ。 インスタレーション3作でいっぱいいっぱいになって他の作品を落ち着いてみることができず、心残りだったのでまた出かける。写真では、「トライ アンド ゴーホーム」に、心惹かれた。1番、近しい感じがするから。心当たりがあるというか・・・。…