樋口佳絵 − エンシンリョク

樋口さんの個展ならば行かねばなるまい!とおっさんのように意気込んで西村画廊へ。
個展だから当たり前なのだが、どちらを向いても樋口さんの絵。なのが、なんだか嬉しかった。

言葉の世界で超単純にたとえると、「それは青い。」というのを、「青い」という単語を使わずに表現する・・・というような。アートというものは、煎じ詰めればみなそうなのかもしれないが、樋口さんの絵は特にそういう感じがする。
だから表層にとらわれていると違うものをみてしまうような気がして、その絵の前に立つと、私はたいそう慎重になる。違うスイッチが入るというべきか。以前、深いところへもぐっていくようなと書いたことがあったけれど、その感覚はこういうところからきているのかもしれない。

結局は自分にみえるものをみるしかないにしても、そういう体勢にすっと入ることができるのは樋口さんの作品ならではで、貴重で、嬉しいことだ。
おお、何度でも言おう(3度目だ)、本当にウレシイ。