放課後のはらっぱ

どこかにも書いてあったけれど、展示室は途中から、「絵を用いたインスタレーション」の様相を呈してきて、それが今まで味わったことのない種類のおもしろさで、そして、とても心地よかった。いつまでも離れがたい感じ。櫃田伸也と教え子たちというタイトルから連想するような同窓会的甘さがなかったのも、いいなぁと思ったところ。

小林孝亘さんは、学生の頃は作風の異なる2種類の絵を描いていて、その横には「その頃の自分には、自分の中の2つの相反するものをひとつにして表現するということができなかった」(この通りの言葉ではないと思う、うろ覚えでごめんなさい)というキャプションがついていた。その言葉がなんとなく重量感があって、心へずっと沈んでいくようだった。「学生の頃と、現在と、そのあいだ」みたいな、若いひとなりの時の重みというか、来し方というか、一瞬の間にたくさんのことを想像させられた。

グレーブースとピンクブースは特に魅力的な空間で、加藤美佳さんのドローイングはドローイングですか!というくらいの迫力(?)だったし、登山博文さんの「文字→線」の変遷もおもしろかったし、他にもいろいろ、なんかもう、出たり入ったり忙しかった。

途中、櫃田さんがとった写真をスライドショーにして流している場所があるのだが、そのBGMがほのかに展示室まで聞こえてきて、それがまたとてもいい具合なのだ。そこをぬけると近年の作品が展示されていて、途端にぐっと空気がしまるというか、やっぱりそれぞれに研ぎ澄まされた感じになっているのが、ほほーっ!!という感じだった。

あと、所蔵品展に展示されていた濱田樹里さん!うねってましたな!このひとのこれからがとても気になる。