上村松園 美人画の粋

山種美術館がいよいよ移転するというので、名残を惜しみに行く。文楽を観に行ってたときに、よくお世話になった。何の展示でも行こうと思っていたが、松園さんの没後60年記念展だった。好きな頃もあったけど、今は特に・・・という感じだったのに、行ってみるとやっぱり素敵で長居する。

「砧」や「新蛍」などの大きいものもしみじみみたが、今回は小さいものに心惹かれた。「杜鵑を聴く」や「庭の雪」をみていたら、踊りできまるときの、あのいきを止める感じを思い出したのだった。そういう、ふとした一瞬でありながら、それ以外ないポーズ、かたち。そこに流れているものは、しんとして、静かだ。私は基本的に猥雑なものに惹かれるたちだけれど、その静かさ・美しさにはほっとする。

あとは遊亀さんの「舞う」(これをみるといつも、オレも頑張らねば!と思う)古径の「河風」(妖艶な女のひとだった、解説にはそんなふうには書いてなかったけれど)が持って帰りたいくらいよかった。
広尾となると、行きにくくなるなぁ・・・。