舟越桂 夏の邸宅

友だちに、庭園美術館へ連れて行ってもらう。
「白金台って、あのシロガネーゼの??」と、思わずアホな質問を。
というか、シロガネーゼって今でも言うんだろうか。

美術館は、お金をふんだんにかけましたというのが丸出し、かつ、建てたひとは必要経費のことなんて考えなくてよかったんだろうなーという感じの、いい建物だった。
この趣味は、結構好き。

舟越桂さんの彫刻とドローイングが、応接室や浴室や色んなところに展示されている。
この作家さんの彫刻は、正直よくわからないのだけれど、みていると無性に切なくなる。
「肩で眠る月」は、部屋に入ってひと目みただけで、泣きそうになった。
なぜなのかは、本当にわからない。自分のことなんだけれど。

本棚のガラスにうつる彫刻を眺めたりするのは、楽しかった。
いいなーと思った作品のひとつに、「言葉をつかむ手」があって、帰りに友だちに
「あれ、よかったですよねー」と言ったら、
「よかったよね、やっぱり裸は浴室でみるに限るよねー」という。
「ええっ、そんな理由??」と、一応ツッコミを入れながらも
「そうだよ、そうに決まってるよー」と言われると、だんだんにそんな気もしてきたのだった。
持つべきものは、明快な友。