祈念

その祭は、「三卯大祭および震災復興祈念祭」に名前が変わっていた。 祝詞の中にも震災復興の文言が織り込まれる。 (三輪の神さまは、家つくりの神さまでもあるらしい) 遠く、奈良から祈る。地続きなのだ。どこまでも。 あの日に日本を覆った悲しみは、相…

風穴 もうひとつのコンセプチュアリズム

気が滅入っていて萎えそうになりつつも、「島袋さんが大阪にきてるんだぞ!」という自分もいて、やっとこさ外へ。 何かがもう、違っているような気がする。悲観的になっているのではなくて、明るい日差しの中、高架の上をむこうから走ってくる電車、そんな光…

盟三五大切

松竹座へ。南北の芝居は、やっぱりおもしろいなーと思った。懐の深いところ、その世界は幾層にも広がっているところ。善だの悪だのというレッテルは、簡単に、どっちにでも、ひっくりかえるのだということをいつも思い出させてくれる。「善」を盲目的に行動…

ろくでなし啄木

もうそろそろ藤原竜也さんが観たくなったのと、三谷さんの芝居なのとで出かける。それ以外は何も知らなかった。開演前のアナウンスが三谷さんと野田さんの掛け合いで、本当におもしろかった。なんだかトクした気分であった。 芝居は、なんというか、違う役者…

市馬・喬太郎二人会

二之席にとうとう行けず(末広亭の招待券が泣いている!三鷹の志らくさんのチケットも無駄にした!)、今年の初落語はこの会に。おふたりの四席とも派手な噺ではないのだけどほどよくまとまっていて、ほわほわとしていいなぁと思った。小腹を満たすような感…

今年もよろしくお願いします

年末に、近所の百貨店の階段から落ちて怪我をした。落ちた当初は意識がなく、途中から回復したらしいのだが、その記憶が現在の私にはない。救急車の中でもちゃんと受け答えをし、病院でも「意識障害なし」と診断されていたらしいのだけれど、今はまったくそ…

ちいさなクリスマス

このツリーをくれた友人の墓参り。 今年克服できたこと、来年克服したいことなどなどを報告。 それにしたって、こうしてだんだんと歳が離れていくのは切ないことだなぁと思う。 何しろ初めての経験なので、戸惑うばかり。

冬至

冬至の今日は登りおさめ。 朝方まで残っていた雨に濡れた山の木々は、いつにも増してきれいだった。衣掛けの杉の覆屋に、落ち葉しているのも美しかったなー。 いよいよ本格的に冬迎え。

柳家喬太郎 みたか勉強会

喬太郎さんのやりたいようにやる会・・・と言っても100%ではないだろうけれど、かなりそういう色は出ているので、たいていはおもしろい。噺もさることながら、今はそういう方向を向いているんだなぁみたいなことが感じられるところが(それが自分の好み…

柳家喬太郎独演会

トリイホールへ。この会といい、市馬・喬太郎二人会といい、私にとっては万障繰り合わせてかけつけたい会である。雰囲気が好きなのだ〜。会主さん(と、この場合もいうのかな?)のお人柄だろうか。開口一番は、前髪を下ろした喬太郎さんであった。カワイイ…

のどかな休日。

天橋立を自転車で疾走。 そしてやってきました、股のぞき。 こうみると、なんだか酔いそうだな。

諏訪!

東京の帰りにわけもなく諏訪へ。 東京で「藤森照信展」をみたので、ここにも行った。 八重垣姫〜〜。脳内BGMはもちろん「狐火」じゃった。 ぐるりが空ってなんかいい。

近況

特に更新するようなこともなく9月は過ぎ 10月上席も行き損ね ただ、本だけは読んでいる。 一番最近読み終えたのは 「そしてカバたちはタンクで茹で死に」 そして今読んでいるのは 「精霊の王」 「昔話と日本人の心」 いったいどこへ行こうとしているのだ…

虹がとけてった

久しぶりに虹を見かけて 帰るのも忘れて見惚れていたら ずるずる空へととけていってしまった。 空は深く青く 雲はバカに白い。ミケランジェロの天井画みたいだ。 今の時期、夕暮れはとてもおもしろい。

狂乱の池袋

8月上席の池袋演芸場へ。今年もすごいのかなぁと思っていたらすごかった。行った何日間か、全部がそうだった。数でいうとそれほどでもないのだろうけど、何しろ狭いので通路という通路がひとで溢れかえっている。立見のひとは斜め立ち(正面で立つより省ス…

束芋 「ててて」

ギョニラマをずっとみていた。境界線は曖昧になり運動は延々と繰り返される。どうしてこういうのが好きなのだろう。観ているうちに余計なものがこそぎ落とされていくような感じがするからだろうか。早回しとか逆回しがあるのは、観る方に気を遣っているのか…

「BASARA展」

痛快だった。自分でもよく傾向がつかめないほど様々な種類のアートをいいなぁと思いながらみるが、細胞レベルで好きなのはこういう方向なのだと思った。 主催・企画・キュレーションをつとめた天明屋尚さんの言葉に 華を求め、武を好む「BASARA」の美意識は…

円朝まつり2010 奉納落語

はじめが円丈さんの「代脈」。(そういえば、福扇の副賞は円丈さんの手ぬぐいでした。のし紙がかわいかった。)おもしろくないのとは違うが、どこの時点かで時がとまっているようです・・・と思った。なんでだろう。単に「ハエハエカカカ、キンチョール」を…

梅佳代写真展「ウメップ」

うめかよだー!と、勇んで表参道ヒルズへ行く。 思わずふきだしたり、うなったり、いろいろ。なんというか、こういうことを1番最初にしたというのがうめかよさんのすごいところだと思う。誰もが行きそうで行かなかったところへ初めて行った、というか。 展…

夏芝居

中座でやっていた頃から、この夏の芝居が好きだった。 やたら暑いのだけれど、それを補ってあまりある独特の楽しさがあった。ひょっとすると、暑さゆえの楽しさだったかもしれない。 道頓堀通りを歩いていると暑さのあまりものごとの輪郭がぼやけてきて、な…

大阪には春団治さんが

この日トリの春団治さんをめがけて繁昌亭へ行く。夏らしく「お菊の皿」でした。春団治さんの高座を聴いていると、丁寧に丁寧にしわを伸ばす・・・という行為をイメージしてしまう。なぜにそんな所帯じみた行為を!と思うけれど、それぐらい神経が行き届いて…

束芋展および横尾忠則ポスター展

ちょっとだけ開館より早くついたので、むかいの科学館の陰で涼む。まっすぐな線なのに曲がって見える絵とか、右から左へ歩くと動いて見える絵がディスプレイされていてついチョロチョロしてしまい、おもしろいがちっとも涼めなかった・・・。 それはさておき…

束芋「断面の世代」

アーティストトークの合間に会場を回る。 巡回するのを知らずに横浜へ行って、後で勇み足だったかな・・・と思ったのだが、両方観る面白さというのがやっぱりあって、意外なくらい楽しめた。横浜のエントランスで豪快に展開されていた団地層は天井を見上げる…

6月のアート

このラインアップに脈絡があるのかないのかすら、もはやわからん・・・。 安藤瑠美「dream islands」 写っているものは、夢の島。ひとつひとつの作品が繊細で美しかった。 が、それを美しいと思うことはなんとなく後ろめたかった。なぜだろう。どこかに何か…

末廣亭 6月下席

今のところ、寄席との蜜月はまだ続いている。いる間中、色物さんも含めて一つ一つの高座全部を楽しんでいる。多くの笑いは、その場限りで消えてなくなってしまうものだけど(それが悪いとも思わないけど)、そうではないものもある。ほかでは聴けない類のな…

森山大道展「Northern」

これをなんと言葉にすればいいのだろう・・・と(できやしないのだけれど、できないなりに)、しばらく作品を前に考えてみた。言葉は得られず、背筋をのばして対するのみ。むつかしい。 ひとつひとつの写真が、8ミリフィルムのワンシーンを切り取ったように…

アート・覚書

ロトチェンコ+ステパーノワ ロシア構成主義のまなざし ひとことで言うと、苦手なジャンルだった。幾何学的に突きつめていくのはいいとしても、息が詰まりそうな方向というか、思考の余地を与えないような感じがしてきて、どうもダメだった。思考を停止させ…

末広亭余一会 文左衛門・喬太郎二人会

浅草の「市馬Jazzを謡う」も気になりつつ、文左衛門×喬太郎の掛け算、しかも末広亭で!の魅力に抗えず、新宿へ。正楽さんまで出るのだもの。 小んぶ 「堀の内」 わか馬 「千早ふる」 文左衛門 「笠碁」 わか馬 「ガーコン 序」 喬太郎 「猫久」 喬太郎 「オ…

柳家喬太郎 みたか勉強会

前の週の名古屋での独演会もあまりピンとこず、もしかしてもう喬太郎さんにあきたんだろうか・・・と思っていたが、とんでもなかった。ときどき、そうやってデカイ波がくる。油断がならぬ。 昼の部 市也 「子ほめ」 喬太郎 「そば清」 時松 「松曳き」 喬太…

愛でる。

鉄線は、30を過ぎてから好きになった。 今頃の季節はなんだか苦手だけれど、世の中がたくさんの色の花で満ちているのはよいものだなぁと思う。