大阪には春団治さんが

この日トリの春団治さんをめがけて繁昌亭へ行く。夏らしく「お菊の皿」でした。

春団治さんの高座を聴いていると、丁寧に丁寧にしわを伸ばす・・・という行為をイメージしてしまう。なぜにそんな所帯じみた行為を!と思うけれど、それぐらい神経が行き届いているし、出来上がりが気持ちよい。黒いところがない。聴いているうちにそういう種類の心地よさにくるまれて、幸せだなぁと思う。それは私のもつ幸せの中で、かなり上等なもののうちのひとつ。

サゲを言ってから緞帳がおりるまで頭を下げたまま、身じろぎひとつしない。あの姿勢をキープするために、どれだけの筋力が必要とされているか、変わらないように見える高座を支えているのは、いかほどの精進か。むやみに有難がるわけじゃないけれど、「大阪には春団治さんがいる!」と、嬉しく思わずにいられない。