末広亭余一会 文左衛門・喬太郎二人会

浅草の「市馬Jazzを謡う」も気になりつつ、文左衛門×喬太郎の掛け算、しかも末広亭で!の魅力に抗えず、新宿へ。正楽さんまで出るのだもの。

小んぶ  「堀の内」
わか馬  「千早ふる」
文左衛門 「笠碁」
わか馬  「ガーコン 序」
喬太郎  「猫久」
喬太郎  「オトミ酸」
喬太郎  「路地裏の伝説」
正楽
文左衛門 「竹の水仙

わか馬さんのあとに登場した文左衛門さんの、「喬太郎が来ない・・・」で、客席のスイッチ(何の?)が入ったようだった。のっけから「去年も言ったけど、喬太郎の客は上品なんだから、俺の客はちゃんとしろよ〜、宴会じゃないんだから」みたいなことも言っていて、笑ってしまう。どんなお客さんなんだ??

「笠碁」は、爺ふたりの憎めなさがいっぱいで、なんかほのぼのした。文左衛門さんの噺には、いいふうに文左衛門さん自身が投影されている。誰でも大なり小なりあるのだろうけれど、文左衛門さんのは、よい方向に出ていると思う。この日の「竹の水仙」は特にそうで、この感じは文左衛門さんでしか味わえないなーと思った。エンジンがかかりだすと怒涛のよう。

結局、喬太郎さんは間に合わず、「着替えるなよ!」と言われていたわか馬さんが再び登場、「色物がわりに」を連発するのでもしや・・と思っていたら、やっぱり朗々と歌い始めた〜!!俄然、盛り上がる客席。私の中では、途中で顔を出した喬太郎さんに、真顔で「7分半くらいですか?」と言ってたのが1番おもしろかった。ネタか?

名古屋でもそうだったけど、「猫久」はやっぱりむつかしい噺なのだなぁ・・・と思った。が、その後の「オトミ酸」よ!仇なすガーター!「千早ふる」の「お富さん」バージョンで、「お富さん」の歌の解釈がくりひろげられるのだが、その噺の勢いというか、めくるめく世界というか、なんかもう・・・。喬太郎さんの力技?こんな噺も結構好きな自分がこわいス。

二人会といいながらも、なんだか文左衛門さんの会みたいだったなぁと思った。ほんとうに、楽しかった。文左衛門さんのお人柄というか。
寄席で聴く二人会というのは、私にはとくべつで、これからもずっと続きますように・・・と、切に願う。そう言えば、花園神社の大祭期間中で木戸の上のほうにお飾り(?)みたいなものがしつらえてあり、帰りに撮ろうと思っていたのだが、その頃にはもう撤去されていて、悔しかったのだ!来年は撮るよ。