アート・覚書

ロトチェンコ+ステパーノワ ロシア構成主義のまなざし
ひとことで言うと、苦手なジャンルだった。幾何学的に突きつめていくのはいいとしても、息が詰まりそうな方向というか、思考の余地を与えないような感じがしてきて、どうもダメだった。思考を停止させるというか。服のデザインも何点か展示されていたけれど、絶対着たくないようと思う。でも、なんんとなく時代的・段階的にそういう方向へ行くのはわかるような気がするので、この時代に生まれなくてよかった・・・と思った。我ながら小学生のようだが。
炎天下の目黒通りを歩いて敷地内の木陰に入ると、生き返ったような心地がする。これからの時期、この美術館の一番のご馳走ではないかと思う。

細川家の至宝
ほんというとそんなにみたい展覧会ではなかったので、とりあえず、ひとの少ないところへ向かっていったら、白隠独り占め状態に。私の中では、このラインアップではここでしょう!だったので、じっくりゆっくりみる。「暫時不在如同死人」という、心当たりのあるひと(って自分だが)がみれば、くらくらするような重量のある書があったり、爺自慢(?)があったりして、おもしろかった。
そのままふらふら歩いていたら、壁にもたれてあぐらで三味線を爪弾いているお坊さんの絵があった。毛はないのにとんでもなくいい男であった。こんなひとが家にいてくれるなら、いくらでも外で働きます〜〜というような。清方の「抱一上人」だった。清方にとっての抱一は、こういう男だったのだな・・・。女はともかく、男の風情をこんなに鮮明に描いた絵は今までみたことがなく、あらためて清方のすごさをみた思い。

生誕150年記念 アルフォンス・ミュシャ
みたか勉強会の昼の部と夜の部の間に観に行く。自分でも意外なくらい好きだったのだけど、何しろ「定吉殺し」のあとだったので、言語中枢が壊れていた模様・・・。美しいものはもちろん好きだが、「チェコの心」みたいな絵もよかった。