2010-01-01から1年間の記事一覧

夏の楽しみ

夏に、紋寿さんの写真集が出版される。 「文楽人形の美 桐竹紋壽写真集」(草場書房刊) B5版120ページ(カラーグラビア40ページ) 詳しくはゆうきちさんのページを。 http://www16.ocn.ne.jp/~kuriy/yupage3.htm#0508 どんな写真がセレクトされているのだろう。…

クリアだということ・志らくさんの落語

久しぶりに志らくさんを聴く。好きな噺家さんではあるけれど、ほいほいとは聴きにいけないのです。 冷やかしか!と思われるといけないので「遠いですが絶対に行きますから当てて下さい。」と書いた・・・おかげかどうかわからないが、無事当選はがきがきた。…

あさくさ

浅草を歩くのが好きだ。徘徊するのはもっぱら、言問通り・国際通り・浅草通り・隅田川に囲まれた地域だけれど、体の調子が悪くても、ここをぶらぶら歩いていると元気が出てくる類の好きさ。ひとつは、ところどころにまだ悪所の匂いが残っているからだろうと…

長谷川等伯展

絵の前ではっとすると、それはたいてい冷たく寒い景色だ。金碧画は永徳ほどにはいいと思わなかった。冷たくて寒いけれど、ひとを拒んではいない景色。そういう等伯が好きなのだと思う。寒江渡舟図、波濤図、松林図屏風。 他に離れがたかったのは 「弁慶昌俊…

ボクらはみんな生きている

先週は、九州山間部をさすらっていた。 何十年ぶりかの阿蘇に、ぼぉっとなる。雄大で、空が近く、大地を肌で感じる。 誰もいない。 長者原。 そして、私というヤツはどうも細胞レベルで山と水が好きらしい。 白川水源。 滝!萌え! 洋上にて日の出。 日常と…

4月文楽公演 妹背山婦女庭訓

初日、ようよう山の段をみる。 この段の魅力は、一対という言葉に尽きる。 妹山と背山。定高と大判事。雛鳥と久我之助。小菊と桔梗。定高と雛鳥。大判事と久我之助。そして、床。 とくに、定高と雛鳥という対のおもしろさを、簑助さんと文雀さんに教えてもら…

横尾忠則 ピンクガール

Sixへ行く。 コムデギャルソンと聞いて、初めてメゾンエルメスに行ったときのようにビビっていたが、あちらとは違い入り口も別で、妙にホッとする。好きな感じの空間だった。(メゾンエルメスも入ってしまえば大好きなのだが。) ギャラリーを一歩入ると、た…

春をつかまえに。

まだまだ毎日寒く、花見にはまだ早い。が、早けりゃ咲いているところへ行くまでだ!と京都御苑へ。 枝垂桜が満開。 枝垂れもいいもんです。 京都もこれから混むだろうな。等伯を観に行くのは桜が散ってからにしよう。 これはひこうき雲をつかまえたかった。…

池袋 3月下席

去年、新作まつりをみたときには、もうよかばい。と思ったのに、月日がたつとまた観にいきたくなる不思議。まるでインドのよう。ちょうど喬太郎さんが出る日もあったので、今月も池袋演芸場へ。池袋で聴く喬太郎さんは、なんかいいのである。 普段の私の行動…

御名残三月大歌舞伎 道明寺・石橋

さよなら公演で上演してほしい演目というアンケートがあったとき、道明寺と書いた。勘三郎さんの船弁慶とか、みたいものは他にもたくさんあったけれど、ひとつ選ぶとしたら「仁左衛門さんの菅丞相で道明寺」だなーと思ったのだ。 結論をいえば、そういう過度…

アーティストファイル2010

斎藤芽生さんの作品が出ているVOCA展と迷いつつも、会としての雰囲気がより好みだったのでこちらへ行く。 好きなひとばかりを観ていると色んなことが偏ってしまうので、グループ展は息抜きになる(独演会の合間に寄席に行くようなもの?)のだが、この会…

喬太郎・三喬二人会

沈丁花が匂うようになった。少し寒さが緩むとうぐいすの鳴き声が聞こえる。お水取りも終わって、いよいよ春かな。喬太郎・三喬二人会でワッハホールへ。三喬さんは、たぶん一年ぶり。丁寧で、親切だなぁと思った。ほわほわしつつ、客席をよむみたいなところ…

ネットで玉英さんが亡くなったのを知った。胸が苦しくなった。 私は玉英さんの熱心なファンではなかったけれど、文楽ファンとして「ああ、いいなぁ・・・」と思う玉英さんの舞台姿を幾つもみた。先月のことはもうあやしいのに、そういう、玉英さんならではだ…

如月の三枚看板 喬太郎+文左衛門+扇辰

銀座ブロッサムへ。初めてのホールだった。古くさくて好きな感じだったが、落語を聴くには天井が高すぎるかなぁと思った。なぜ高かったらダメなんだということもない、ごく個人的な感想。 喬太郎さんのたいこ腹と扇辰さんの徂徠豆腐はもちろんそれぞれおもし…

お名残

この月が最後の歌舞伎座になりそうなので、思い切り名残を惜しむ。 こんなところも、もう最後だと思うから撮ることができる。普段はさすがに恥ずかしい。 歌舞伎座の中で一番好きなところ。こういうのを、何フェチっていうのだろうなー。 ほんとーにあちこち…

悠々遊雀

以前、遊雀さんを聴いてみたいと思って芸協の興行に行ったら漫談でがっかりしたことがあり、そのリベンジに内幸町へ行く。が、後ろと横の数人が遊雀さんが何をやっても大笑いするコアなファンで、なかなかしんどかった。だって、猫の災難の第一声、「呑みて…

池袋 2月上席

寄席のトリで出る喬太郎さん・・・というのをみたかったので、今月も池袋。おまけに他のメンバーも聴きたいひとばかり。夜トリは権太楼さんなのだー。というわけで、こもる。この頃はトシをとったのか、小菊さんの都々逸が身に染みる。じっくり聴きたいなぁ…

文楽 花競四季寿・嬢景清八嶋日記

芝居としてみるのなら2部だろうなぁと思いつつ、1部へ行く。贔屓というのはそういうもんじゃなかろうか。 四季寿、楽しみだな〜と思っていたら、去年の正月に聴いたばかりらしい。忘れてたよ。なんというか清治組のわりに、まったりとした床だった。まった…

アート欲を満たす

やなぎみわ展「Lullaby」 南青山へ。やなぎみわさんの新作は映像作品。grandmotherとgranddaughterのくんずほぐれつ。でも 、ララバイ。 軸は変わらず、とどまっていないところがすごいなーと思う。手抜きがないところも。もし抜いていたら、こういう種類の…

夢をみた

夢をみた。 玉男さんが「太夫がおれへん。もうええわ!」とか言って、自分で浄るりをかたりながら人形を遣っているのだった。三味線なしで。玉男さん!懐かし〜〜!!と思ったけど、なんでそんな夢をみるのだ?寝る前にニコ動で川柳さんのすさまじい合邦を聴…

きれぎれに

この頃、写真が撮れない。寒いせいか? この間、花園神社のわきから新宿眼科画廊へ行く途中に素敵な路地があったのだが、夜なのに撮れるものといったらiPhoneしかなく、指をくわえて通り過ぎた。今度行っても同じようには見えないだろうなぁ。橘蓮二さんが撮…

正月二之席

二之席は小三治さんをイヤというほど聴くのだ!と決めていた。 聴き飽きて、本当にイヤになってくれたら何かと助かるのだけれどと、半分は本気で思っていたが、ならなかったよ・・・。やっぱり。師の噺を聴いているときというのは、なんというか・・・海を漂…

曽谷朝絵展

資生堂ギャラリーへ。 寄席に居つづけですっかり腑抜けになった言葉のない頭の中で辛うじて思ったのは、どんなに色を使ってもよどまないのが曽谷さんの世界なのだなーということ。その澄んだところは、表現方法が変わっても変わらない。 そして、頭の中を、…

落語初め

市馬・喬太郎二人会を聴きに、トリイホールへ。どこかでみたことがあるぞ・・・と思っていたら、肥後橋の美術館のひとだった。世間は狭い。いつも言うけれど、この空間で、このおふたりの落語を聴くというのは、やっぱり贅沢なことだ。とっても濃厚。それが…

二人禿・彦山・壺坂

羽子板をつくのは、ついているようにみせるのは、とてもむつかしい。鞠をつくよりむつかしいと思う。羽子板の位置や目の位置や、それは枝葉末節なのかもしれないけれど、廓らしさや正月らしさはそういうことの丁寧な積み重ねから出てくるものだと思うのだ。…

文楽初め

伽羅先代萩をみる。 飯炊きの場という長丁場を一身に引き受ける紋寿さんと、ひとり若君を守る政岡がだぶって、じーんとした。厳密に言えば、ふたりともひとりきりではないのだけれど、誰にも真には理解されない孤独があるような気がする。政岡を遣うというの…

明けました

お昼休みに携帯をのぞいたら(平日昼間に寄席にいける身分であるところの私は、正月は仕事なんである)、東京ドームに応援に行っている同期からメールが入っていた。なんだか楽しそう。にしても、卒業以来だろ!げんきにしてたんかい!とメールにツッコむ。…