如月の三枚看板 喬太郎+文左衛門+扇辰

銀座ブロッサムへ。初めてのホールだった。古くさくて好きな感じだったが、落語を聴くには天井が高すぎるかなぁと思った。なぜ高かったらダメなんだということもない、ごく個人的な感想。

喬太郎さんのたいこ腹と扇辰さんの徂徠豆腐はもちろんそれぞれおもしろかったけれど、初めてではなかったのもあって、この日は文左衛門さんが1番効いた。らくだ。
文左衛門さんのらくだでは、長屋のひとびとによって「在りし日のらくだ」がたくさん語られる。そのエピソードの数々は結構えげつないのだが、生き生きとしていて憎めない。らくだという男の存在を実感できるというか・・・タイトルロールなんだものね。
らくだが死んだと聞いたときの、それぞれの台詞がまた楽しかった。

「らくだが死んだぁ?なんだそれ、くず屋の符牒か?」
「嘘言うなよ!そう言うのをセコヨイショって言うんだよ!」

文左衛門さんが拵えたのか、はたまたどなたかに習ったのかわからないけれど、このセンスはたまらん!好きだ!と唸った。思わず吹き出してしまう種類の楽しさ。こんならくだもよいな。