さん喬一門会

にぎわい座へ。久しぶりの喬太郎さんを聴きに。

前に聴いてからこの日までの間に、他の噺家さんの噺をずいぶんたくさん(80席ぐらい?)聴いたせいか、なんとなく懐かしい感じがした。そして、やっぱりこのひとは魅力的だよ!と思った。そのカンのよさや、でもそれ一直線でないところなんかを心から愛す。

と、再認識したところで「彫師マリリン」。キャラで笑わせているみたいなことを言っていたけれど、そればかりじゃないないよな〜と思った。
それもあるけど、そればかりではない。
ひとつところに寄りかからないのだろうと思う。いろんな面において。

何をやろうか迷っているというさん喬さんに、「唐茄子屋!」と声がかかり、「それでは・・・」と始まったときは、「い、今からですか!師匠!」と、少し思わないではなかったが、始ってみればそれはとても誠実な高座で、そしてその誠実さ加減をみることができたのは私にとって、大切に持って帰りたいようなよきことだった。

誠実といってもそのせいで面白味に欠けるという種類のものとは違うし、遅い時間になり、客が目の前でぐうぐう寝ていたら、お尻が半分ういたような話しっぷりになったとしても無理からぬことだと思うけれど、そんなところもない。芸に対して、客に対して、ひたすら真摯というか・・・。
うまい上に、真摯って。強すぎる。

家人は喬太郎さんのファンだが、常々、独演会よりも親子会に行きたいと言っている。なんというか、塩梅がいいらしい。表現は妙だが、なんとなく言いたいことはわかるような気がするな。