4月文楽公演 「河連法眼館の段」

東京から戻ってそのまま日本橋へ。いろいろ観た後で頭がぼーっとしていたが、この日を逃したらもう夜の部にはいけそうになかったし、それに、嶋ちゃん欠乏症などと吹聴しているわりには一向に聴きに行こうとせず、いったい何のトラウマなんだ??という感じだったので、ヨロヨロしつつも行く。

いつも寛治さんがどうっちゅうことないよ。という風に弾いてはったので気づかなかったが、法眼館の前は、実は難しいのだなぁと思った。宗助さんが苦労している様子だった。弾きだしのところは、義経千本桜・まとめ。みたいで聴くたびに泣けてくる。権太一家や、卿の君のこととかまで思い出すのだ。
そして嶋大夫さん・富助さんの床が始まったら、頭の中の霧がさーっと晴れた。自分にとってはここまでが浄るりなのだなぁと思う。時流を無視している、そんなものはこの先はもう存在しないといわれても、しょうがない。聴けるうちに聴いておこうと思うのみ。
・・・と、まるでひとり決起大会のようであった。暑苦しいぞ。
そして、宙吊りの勘十郎さんに朝からお疲れさまでした・・・と思った。これを毎日やってるんだなぁ。舞台をみていると、いない人のことを思い出してよくめそめそする私だが、源九郎狐は勘十郎さんがいるのでせずにすむ。欠落を感じさせないのだな。ツレの龍爾さんの登場に目を奪われ(ここのツレ弾きもかっこよかったっす!)、源九郎狐の最後の出を見損ねたのが悔やまれる。
そして、あの桜満開の段切れってやっぱりいいなぁと思った。東京向けだと思っていたが、大阪でもやってくれてよかった。というか、大阪でも前からあんなだったか。五里霧中。