柳家喬太郎独演会

独演会や〜〜と、喜び勇んで名古屋へ。ほとんど浮き足立ってたかも。

一席目は「時そば」。「時うどん」は何度も聴いているが、「時そば」は初めて。こんなメジャーな噺のお初が喬太郎さんだというのは、なんだか嬉しいものだ。
「時うどん」と違ってはじめの客がひとりだというのもあるのだろうけれど、テンポがよく、聴いていて心地よかった。

間に長唄の伝の会のおふたり。
義太夫三味線だと弾く人によって音色が違うのがわかるのだが、長唄や清元になると、ほとんどわからないのはどうしたわけだろう。あまりにもテープで聴きすぎたせいか。邦寿さんが「岸の柳」をうたいかけたときの「つくばねの」がいい声だったので、続きを聴いていたいような気持ちだった。

二席目は「按摩の炬燵」。しみじみして温かくって好きだなぁと思った。
喬太郎さんの小僧は、本当にかわいい。かわいいのでいじらしくなって、それで按摩のよねいちに群がって暖をとる様子が目に見えるようだから、なんだか切なくなる。
そして、更けていく冬の夜の寒さや静けさや・・・よねいちであるところの喬太郎さんの酒を飲みながらの一人語りが気をそらさず、それにぐーっと引き込まれつつも、こうしてこれからまだまだ上手くなっていくだろう人の、上手くなっていく過程をみられるのは、幸せだなぁなんてことをワタシは考える。もう一方の頭で。今だって上手いに違いないが、でもやっぱりまだ途中という気がするから。
しみじみとした噺を聴くと、そんなしみじみとした気持ちになり。