鬼背参り 落語×踊り

そして
観客と向かい合う扉は開け放たれ
笛の音を聴き、雨音を聴く。風の音が混じる。
そのひとが、むこうからやってくる。
踊りながら。
交感しながら。

泯さんの踊りは、詩のようでありました。
詩のように、こちらの速度にあわせて胸をとおる。

噺が始まる。噺につれて、泯さんのおみつが、現れ、消える。
喬太郎さんのおみつがリアルに鬼へと変ずる後ろで
泯さんは、おみつの思念としてそこにいる。
その、二重写しのような、二段構えのような
何ともいえない光景を目の前にして
感情抜きで、涙が流れた。ただ、流れた。
泣いたのではなく。

それはたぶん、深いところへ、ことば以前のところへ届いたからだろうと
後になってみれば思うのだ。
妄想??だとしてもかまわない。

それにしても
プロデューサーのひとは、いったいどこからこんな組み合わせを思いついたのだろう!
雲龍さんの笛も、素晴らしかった!