長澤英俊展 オーロラの向かう所

長澤さんはロマンチスト(死語?)なんじゃないだろうか・・・と思った。作品のタイトルの付け方などからなんとなく。
作品も繊細で美しかった。大理石の「夢うつつのセリヌンテ」などには、ほとんど吸い寄せられる感じ。そんな風に、美しいものに惹かれる気持ちに理屈はなくて、そういうときはちょっとイデア論を信じたくなる。

時々、目の前の作品や作家さんを通して、自分と対峙しているような気持ちになることがあるが、「オーロラの向かう所」を体験しているときは(みるというよりは、体験なのだ)なんかもう、ほとんどむきだしという感じであった。夕方の遅い時間で一人でその部屋に入ったというのも大きかったろうし、自分が単純なだけなのかもしれない。でもそこまで自分がむきだしになることは滅多になくて、へとへとになりつつも爽快だった。混んでくると、どんな感じになるのだろうなー。

全然関係ないけど、「空の井戸」というタイトルを作品リストでみたとき、私は「からのいど」と読んでいた。実際に作品を見たら「そらのいど」らしかった。どんだけ後ろ向きやねん!と自分で自分に突っ込んだことだよ。