末広亭 6月下席

気がつけばひと月も経っていました。
この間に嗜好や生活軸がバタバタと変わり、
忙しいというのとは違うがなんだか目まぐるしかった。
このトシになって、こんなことが起こるとは思ってもみなかったので、
生きているって面白いなとつくづく思う今日この頃。
ありえないことなんてないのだなとも。

それはさておき、その下席では小三治師の「千早ふる」「船徳」「青菜」を聴けた。
ずっと聴きたくて聴けなかった夏の噺をふたつも。
「青菜」なんて、初日でかかったと聞いていたので、
今年もだめだったかーとあきらめていたのに!
こんなに幸せでいいんだろかと思うほどの至福続き。
暑いときに暑い噺(ちゃんとしたやつ!じりじりと暑かったり
涼やかな風が吹いたりするのを感じることのできる)を聴くって
ありそうでなかなかないのだ。

船徳の「四万六千日(しまんろくせんにち)――お暑いさかりでございます」って、
やっぱりいいなぁ。
お約束、なのだけど、うまいひとの口から出ると、いっぱつでその世界へ放り込まれるので
なんだかドキッとする。

そしていつも言うけれど、オーディエンスに対してあれほど開きながら
芸の高みをのぼっていけるというのは、小三治さんならではだと思う。
そこは、温かくて広い。